想像力とラジオ
 ラジオの番組で愉しみにしているのが、「怪談」の特集をやってくれる番組である。
 怪談は、深夜の時間帯の番組でよくやっている。
 大昔、稲川淳二はオールナイトニッポンの第2部、つまり午前3時以降の丑三つ時に、かの「生き人形」を語ったりしていた。

 これまた昔、故景山民夫がTBSで深夜番組をやっていた頃の話。
 景山さんは怪談話はじめ、超自然現象の話題をよく取り上げていて、それを楽しみに聞いていたのだ。

 ある夏の夜、霊を良く見るという女性(スタイリストかなんか、いわゆる業界人だったように思う)を招いて、体験談を話し合ったりしていた。それには私も足を運んだりする場所が出てきたりするので、背筋にぞくぞくする感覚を味わいつつ夢中になって聞いていた。
 と。
 「ちょっとまずいなあ」と景山さんが言った。「どうも、呼んじゃったようだね」
 女性が小さな悲鳴をあげて言った。

 いまスタジオの外に出ていったスタッフのひとのからだを女の人が出たり入ったりしてるの・・・・

 その瞬間、頭のなかにその絵が浮かんで怖くなり、その日は朝まで眠れなくなったのである。

 まもなく、怪談の季節がやってくる。
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