TVの病、TBSの病。

 5月5日、TBSの人気番組「筋肉番付」に出演中の学生2名が「競技」参加中に全身麻痺の重傷を負った。
 このところ、かつては折り目の正しい放送局だったTBSは問題が続出しているのはどうしたわけなのか。

 「ガチンコ」では、出演者の一人が恐喝事件を起して逮捕された。この番組は日本テレビの「電波少年」にTV東京「浅草橋ヤング洋品店」をぱくり、「愛の貧乏脱出大作戦」の隠し味を加えたような番組であるけれども、中身のほとんどは視聴者も了解済みのヤラセだ。
 不良が集まって拳闘の稽古をするという「ガチンコ・ファイトクラブ」は拳闘の稽古を通じて、不良が立ち直っていくのをドキュメントするというものであるらしい。
 で、立ち直れなかったと。

 先日、パンの早食いを競っているうちに亡くなってしまった中学生がいた。テレビ番組の「大食い」「早食い」を真似たということらしい。TV東京は、事態を重く見て、今後「大食い選手権」は行わないと記者会見を開いた。とても残念である。
 愚かな中学生は、TBSの「フードバトルクラブ」を見て影響を受けた可能性が高いのである。
 「フードバトルクラブ」は、「早食い」をスポーツであると標榜している。出場する素人の大食い選手さんは、スポーツ選手と比肩しうるアスリートなんだそうだ。この番組はTV東京が10年以上の実績を積み上げてきた「大食い選手権」をパクっているのは明確なのだが、独自のカラーとして打ち出したのが「スポーツとしての大食い」だった。(じつはこのTBS、5、6年ほど前にも「グルメ大食い」というパクリをして、見事に外している)
 で、タイムトライアルで、食い物の早食いを競わせたりしているのである。大量の食物をいかに短い時間で食するか、それがスポーツとしての大食いだというのだ。
 これを真似て「30秒でパン3個食べる」などとやったら喉を詰まらせること必定である。

 上述した3つの番組はいずれも素人(もしくは素人を標榜する仕込タレント)が登場する番組である。
 現在の素人が登場する番組が今までの「視聴者参加番組」というものと異なるのは、歌を歌わせるとかクイズに答えさせるというような他愛のないものなどではなく、かなり過酷なことをやらせているということである。
 はっきり言えば、人件費がかかるタレントなど使わないで安上がりで済む素人をうまく使って制作費を節約しようというハラづもりなのである。これには思わぬ副次的な効果があって、素人は並みのタレントよりも「演技」が上手で視聴者受けもとっても良いのだ。
 かくて素人はどんどん重宝されていく。出番が増えるに従って、危険度も増していくのである。
 しかも、素人が出ている番組を見る素人は、番組の内容を真似したりするのである。

 上記の問題は、TBSに限った話ではないかもしれない。
 しかし、立続けに問題が起こるのは、とくにTBSという放送局は組織的に、構造的に問題があるのではないかと思えるのである。
 この放送局には、オウム真理教取材問題というのがあった。坂本弁護士を取材したテープを放映前にオウム側に見せるという報道機関にあってはならないことをしている。

 私は、かつての生真面目だったTBSが好きであったが、現在のTBSは語るべき価値はないと思う。(ただし、ラジオは別である。TBSラジオは面白いんである)

 あ、あとせっかく横浜ベイスターズのオーナーになったのに成績がよろしくないのも、ものすごく不幸である。
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