どうでもいいことを思い出した。

 その昔、国際的な紛争やテロ事件が起こると、かならず落合信彦(※)というひとが出てきて、事件の背景や、「国務省の友人」だとか「CIAの友人」筋からの極秘情報を週刊誌や月刊誌に発表していた。執筆活動がメインで、テレビにはあまり出てこなかったように思う。この人はブルース・リーと対決して買っただとかロバート・ケネディの選挙スタッフとなって「ノビー(落合信彦の愛称)」「ボビー」と呼び合う仲だったとか石油の採掘権を手に入れて大儲けをしただとか、その他世界の色々なところですごい活躍をしていたひとなのだ。
 「CIAの友人の警告によれば、ソウルオリンピックは北朝鮮のテロで絶対中止に追い込まれる」「私がKGBの友人から得た情報では、ソ連のゴルバチョフは暗殺されてペレストロイカが終わり、旧体制に戻る」というたぐいのスルドイ警告をたくさんしていた。
 この人のお話は、たとえば映画の「007」であるとか劇画の「ゴルゴ13」、「ユダヤ謀略論」のようなものなどを好む人には喜んで受け入れられたのではないだろうか。
 戦争や紛争、テロなどの国際的な事件の裏にはかならず諜報機関や軍の意志が介在するのだ・・・というようなことを主張し、日本ももっとしっかりしろ、若い人は海外の情勢に目を向けよと書く。

 そういうものすごい国際事情通なのにも関わらず、昨年の9.11同時多発テロやら昨今のパレスチナ情勢についての文章を週刊誌などではあまり見かけなくなった。
 なんでであろうか。気になった。

※落合信彦
 世界先進各国の情報機関や軍、政府関係に友人がいたり強いコネを持っており、月に200万円も国際電話による取材に費やしていると自称する国際ジャーナリスト。ケネディ暗殺の真相を抉った「2039年の真実」はじめ著作多数。

実際は「世相講談家」と呼ばれる。
すなわち、講釈師、見てきたような嘘をつき、という類いの人である。かれが書く事件や知られざる事実の数々は法螺か与太である。また、この人が世界の各国に持っている情報機関や軍、政府関係の友人というのも、ほとんどが落合信彦の脳内お友達で実在はしないらしい。
 なにせ世相講談なので、実際の事件を面白く潤色するのが好きなひとのようだ。だから「事実」とは異なることも多いしそれが許容されている程度のひとである。
 あと、この人は本当は小説家になりたかったのだろうけれどもその才覚はないのでジャーナリストを名乗り、世相講談で身をたてるのではないかという気がする。

 本日はほんと、どうでもいいほら吹き男の話でありました。
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