その1。
コンビニでマンガ雑誌を立ち読みしつつ、親指を上手に使ってメールを打っている男がいた。どうも雨やどりでコンビニに入って、ただ突っ立ってメールを売るのも気が引けて雑誌を手にしてみたらしい。でもその様子はカウンタからは丸見えなのだ。
しかし、携帯メール依存症とでもいうのか、電車を待っているとき電車のなか歩きながらメールを打ちつつ巧みに人をよけながらファストフードの店のなかで待ち合わせをしている時も向かい側に相手がいるにも関わらず楽しいお喋りの最中でも勤務中に会議中であってもクルマにはねられて死にかけているのにといった具合に親指をたくみに動かしてメールを打っている。
器用なもんだ。
その2
通勤の人波で込み合う歩道で、バカでかい声でぺこぺことしつつ謝っているいる初老の男が前方を歩いている。
「はいっ、申し訳ございません、はい」
携帯電話使ってるのかな、と追い抜きざまに見ると、手には何も持っていなかった。 |
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