ゆとり教育で日本は社会の階層化が進む

 4月の新学期、公立の小中高校が完全週5日制に移行した。

 ところが、私立、とりわけ進学の実績がある学校は週5日制を採用していない。独自のカリキュラムによって、しっかりと授業を行って教育を行うというのである。
 質の高い教育を受けるためには、金が要る社会が到来する。
 優秀な私立に入る児童・生徒は、ほとんどの場合月謝の高い進学塾か優秀な家庭教師を付けたりしている。親が然るべき経済力を備えていないと塾に通わせるのも大変である。
 受験勉強の成果が挙がって、晴れて有名私立学校に入学する。入学金も授業料も高い。ときには寄付金を求められることもあるだろう。高い教育費を負担に感じない家庭の子弟でないと、とても進学できないだろう。
 東大や慶応、早稲田といった有名校に在籍する学生の家庭は、所得がほかの大学よりもずっと高いのだという。

 残念であるが、いわゆるヤンキーの夫婦(週末、居酒屋に子供をふくんだ家族連れでやって来て、子供が見ている前でぶかぶか煙草を吸ってビールを呷ってはばかにでかい声で喚いたりしている)から産まれてくる子供が東大や有名な私大に進学する可能性はとても低い。
 このように書くと差別的だろうか。

 公的な教育を受けるのは、(乱暴に言って)子供を私学に進学させられない、経済力のない貧しい階層である。貧しい層の子供は「ゆとり教育」を受けている。何しろ「ゆとり」を求めるので、教育内容をかなりはしょって簡略化したりしている。
 持たざる層の餓鬼どもは「ゆとりある、中身が薄い教育」を受けている。
 経済力のある層の餓鬼どもは、金をかけて(「高度な、中身の濃い教育」を受けている。
 持たざる層の餓鬼どもは、なにせ学力がないので給与の高い仕事に就けないとか、雇用条件が良くないといったことも出てくるだろう。

 「ゆとり教育」は、将来の日本社会の階層化を推し進めることになるだろう。オトナの社会では持てる者と持たざる者の差が明らかになってきた。それはコドモの社会にも如実に反映するのである。
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