「マーシャル・ロー」はパクリか?

 WOWWOWで「マーシャル・ロー」(日本語タイトル)を放映したので観てみた。
 3年ほど前に公開された映画である。敬愛するデンゼル・ワシントン主演作品だ。
 サウジアラビアの米軍施設へのテロ攻撃が起こる。その報復行動として、アメリカ軍は極秘にテロ組織の首領を某中東の国家より奪取し、拘束。
 対してアラブ系のテロ組織は首領の解放を目論んで、NYで連続テロを起こす。
 テロ事件の捜査に乗り出すFBI捜査官(デンゼルが好演)の前に、謎のCIAの女と陸軍の将軍がそれぞれの思惑を秘めて接触してくる。
 テロは続き、ついにFBIの対テロ捜査班のあるビルが爆破され倒壊・・・。600人もの死者を出してしまった。
 米大統領は遂にNYにマーシャル・ロー(戒厳令)を引くことを決定する。NY市内に軍が配備され、アラブ人の検束、強制連行が行われる。何も関係ないアラブ人たち、国家に対する不満、不信感を強めていく人々。
 かくてNYは見えない敵による武装テロの恐怖に震える。警察は無力さを曝け出し、戒厳令という異常な状態に至る。軍は事態を収拾させるどころか悪化を招く。最終的には権威の失墜した警察−FBIの手によって事件は解決される。

 などと書くと、「2001年9月11日」を予見した映画であると思われるだろう。
 違うんだよ。
 この映画は、押井守監督の「機動警察パトレイバー2」(1993)のパクリ、あ、影響を受けた作品である。
 共通点は以下の通りだ。

敵は見えない。「テロ」である
信用させといて裏切る奴がいる
主人公がきわめて有能。
ヒロインが容疑者と関係している。
ヒロインが拘束される。
軍隊が警察と対立する。
正負が警察に不信を抱き、戒厳令が敷かれる。
軍隊の人間が暴走する
デモクラシーの欺瞞が露呈する。
国の原罪のようなものを孕んでいる
微妙な社会問題を内包している。(「安保問題」と「人種問題」)

 プロデューサーか監督かは知らないが、「パトレイバー2」を見ておおいにインスパイアされたのであろう( ̄▽ ̄;)

 映画の理念を真似ればいいものを、うわべをパクってアメリカの調味料を振ったために大味な映画になってしまった。
 「パトレイバー2」に遠く及ばず、である。
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