鈴木宗男の<戦い>
 鈴木宗男にはおそらくは証人喚問、議員辞職、自民党離脱、逮捕という道筋か、不可解な死という道筋が用意されていることだろう。

 自民党を守る、また、小泉政権の人気挽回のスケープゴートだ。

 この男の弁明は聞くに耐えないけれども、ひとつだけ引っ掛かることがある。
 それは、「私は叩き上げの政治家だ」という自弁である。

 今、議員になっている多くは2世、3世議員だ。事実上、世襲である。利権も代を継いで引き継がれる。また、その他は官僚出身かマスコミ出身など、言ってみれば「エリート」である。
 そういった中で議員という立場を得、(やり方としてその多くは正しくないが)努力して権力を得た鈴木宗男は、おそらくは世襲議員やエリート出身議員への怒り、あるいは反抗心を原動力としていたのではないかという気がするのだ。
 鈴木宗男は、なんの苦労もなく議員という立場と権力と金を手にした有象無象のなかになって、明らかに異端だった。
 だから、かつて田中角栄がそうであったように、かれは権力の座からみじめな形で転げ落ちるのだ。
 その不様さをみて、世襲議員もエリートも心で鈴木宗男を嘲りながら、安堵するのだ。あんな学もなくてガツガツした奴がいなくなって良かったと。
 3世議員の小泉純一郎は、「痛みを伴う構造改革」を口にする。2世議員の福田官房長官は、「ぼかあ、発泡酒なんて飲んだ事ないからねえ」と笑ってみせる。
 かれらは大衆の代表だろうか?
 その可能性がかつてあった議員は、権力を得た途端、大衆の代表であることを忘れてさらなる権力と金を得ようとするのみだ。

 まことに、日本は落日である。
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