忘れられた女

 はたして裕木奈江はどこに行ったのであろうか。漫画家とか芸能人とか作家なんかはいつの間にか消えていく宿命にあるのだから、仕方がないけれどもちょっと気になる。
裕木奈江は、いわゆる<癒し系>のはしりみたいな女優だった。同時に、同性に嫌われる女性の典型だった。
 「男にこびるような態度がいや」「計算高い」「親父転がししている」などの理由で女性週刊誌などでさんざん叩かれているうちにメディアへの露出が減ってしまった。それでも何本かのドラマで端役を演じていたものの、じり貧、ついには2年くらい前に写真集を出版、オールヌードになったものの話題にすらならなかった。主な購買層となる男性が喜ぶような写真がほとんどなくて、かわりにどうでも良い心象イメージのような写真が大半を占めていていたからだ。「実用性」の低い写真集では喜ばれない。
 裕木奈江は、イメージ戦略で失敗したタレントの典型だ。そのために消えていったのである。失敗は、よけいなことを話した、もしくは話したがごとく流布されてしまったということに尽きる。
 女性週刊誌のバッシング記事には、「自分の思うように生きたいのだ」といった意味合いの事を述べて反論したが、それがさらなる反発を生んだ。広末涼子が芸能人特権で大学に入ったのによけいな意見を述べたために嫌われる芸能人となったのとまるで同じだ。
 ヌード写真集出版の際も、「これはアートです」とかひとりの表現者として力を尽くしただの、よけいな能書きをたれていた。それは売上が伸びない要因になったようだ。
 <癒し系>というイメージって難しい。
 松嶋菜々子のように余計なことを語らずに過ごせば、まだ芸能界でそれなりの場所を得ていたかもしれない。
 だって、演技者としての訓練だとかスキルなんてものより、<イメージ>さえあればドラマだってバラエティの仕事だってCMのオファーだって来るんだから。
 彼女は、いまいずこ?
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