TBSは懲りていない
何のことはない。ボンネットのへこみで映り込みが歪んだだけだ。
 これはTBSが土曜の夜8時に放映している「USO」という番組内の「最恐心霊写真」コーナーで紹介されたものである。とうぜん、上記の写真は「心霊写真」として紹介されている。
 この写真を、黒田みのるという元貸し本怪奇少女マンガ家、現新興宗教団体「ス光光波世界神団」の主宰者である爺さんが解釈する。
 なんでも写真を見て、映ってしまった霊の放つ、「霊派動」を感じることで霊がどういった過去を持つか、どんな気持ちでいるかがわかるというのである。因みに「霊派動」は黒田が主宰する宗教団体が用いる用語であるらしい。

 怪しい写真を肴に、理性では判断ができない「霊」のことを語るというのは、いただけない。「この恐ろしい顔は、かつてこの女性の先祖が殺した霊が取憑いているせいだ」などと言われても、われわれは霊の過去を知るすべもない。
 大仰に感心してみせるか、あるいは相手にしないか。

 たかが「USO」と銘打った娯楽番組である。目くじらたてる必要はないかもしれない。
 しかしながら、放送しているのはTBSである。
 かつてTBSは、殺害された坂本弁護士へのインタビューテープを、オウム真理教側の要求により放送前に見せ、彼らの抗議により放送を中止したことがある。TBSのこの行為は、結果として坂本弁護士一家の惨殺の原因となったとさえいえる。
 (詳しくは、ここを参照。

 こんな事件を興した局が、「ス光光波世界神団」の主宰者に心霊写真の解釈をさせていることに、一抹の危倶を覚えざるを得ないのである。この番組が宣伝効果を生んで入信者が増えることを、私は恐れる。
 「象の帽子をかぶって、歌って踊る愉快な宗教」が戦後事件史上最悪とさえ言えるテロ事件と数多くの殺人事件を引き起こしたことを考えれば、元マンガ家の宗教団体がカルト化しないとは言い切れないと思う。なにせこの団体は、「サタンの作り上げた人間が、一般の人間に混じって暮らしている」などと主張しているのである。

 話の種として「心霊写真」を取り上げるのは一向に構いはしないが、だとしたら、その写真の解釈をするひとの人選も洒落になる人材を使うべきだ。

 最後に、もう一度確かめておきたい。上の写真は、ボンネットのへこみのせいで映り込みがゆがんだだけであって、霊ではない。

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